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今週の近畿版

2021年7月4週号

特産「砂丘メロン」手間惜しまず 農薬控え、こまめに温度調整

長濵正実さん 京丹後市


1株から1玉だけ収穫する長濵さん

自宅の直売所で販売している「アールスセイヌ」

「お客さまとのつながりを大切にしたい」と話すのは、京丹後市の長濵正実さん(38)。日本海に面して広がる砂丘地がある地域で、両親と妻、パート従業員3人でメロンを栽培する。この地域で栽培されるメロンは、「砂丘メロン」として知られ、「地域振興に貢献したい」と話す。

長濵さんは京都府立農業大学校を卒業後、1年半の農業研修を経て、22歳で就農した。「子どもに安心して食べさせられるものを作りたい」と農薬の使用を極力抑えている。

栽培するメロンは2品種。露地約15アールで栽培する「新芳露(しんほうろ)」は追熟が収穫後3日と短いため、市場に出回らない希少な品種だ。糖度が高く、口の中でとろけるような果肉の柔らかさが特徴だ。

ハウス13棟で栽培する「アールスセイヌ」はマスクメロンの一種。3月下旬に定植し、7月中旬から出荷を開始する。砂丘地は水はけがよく、糖度の調整がしやすい利点があるが、「最近は気候の変化が激しく、ハウスの温度管理が難しい」と話す長濵さん。寒冷紗(かんれいしゃ)の使用や換気を施すなど工夫している。

栽培で特に大変なのが、水で濡らした軍手でメロンの表面を拭く「玉拭き」作業。1玉ずつ手作業で力を入れて拭く必要がある。重労働だが、このひと手間を加えることで、網目が太く鮮明に盛り上がり、見た目の美しいメロンになる。

収穫後は、JA京都や市場への出荷、家の前に設置している直売所で販売する。直売所では、接客できるよう母と交代で店番をし、客とのコミュニケーションを大切にしている。「海水浴帰りに立ち寄る人たちがリピーターとなり、毎年来てくれる。そこから口コミが広がり、注文を受けることもある」と手応えをつかむ。

「京丹後市産メロンの知名度がもっと上がってくれたらうれしい」と話し、「子どもは味の感想を正直に言ってくれるので、おいしいと言ってもらえるように作っていきたい」と笑顔を見せる長濵さんだ。

▽経営規模=水稲約360アール、メロンやトマト、小カブ、ユリなどハウス20棟(約56アール)