2020年度

2020年度

2021年3月4週号

自家製肥料で高品質目指す

仲西 毅さん 京田辺市


やよいひめを手に仲西さん

「「消費者に喜ばれる味を追求したい」と話すのは、京田辺市「イチゴ園キートス」代表・仲西毅(たけし)さん(42)。ヤシガラ培地を使った高設栽培を導入し、自家製の有機肥料を施すことで品質向上を目指す。

3連棟と2連棟のハウス17㌃では「やよいひめ」「おいCベリー」「紅(べに)ほっぺ」の3品種を作付け、年間生産量は約5㌧。

ヤシガラ培地は吸水性に優れているため、イチゴの品質向上と収量安定が期待できると評価する。

自家製の有機肥料は鶏ふんや油かすを混ぜ合わせたもの。液肥を定期的に施し、農薬を極力抑えることで食味の安定を図る。うどんこ病の発生を抑制することを目的に、紫外線「UV-B」ランプと反射シートを併用するなど工夫を怠らない。

現在は直売がメインで、会員制交流サイト(SNS)を活用して直売情報を流す。出荷先は府内の直売所や洋菓子店だ。

「年間通して糖度を安定させたい。栽培技術を磨いていく」と意欲的だ。

2021年3月3週号

水稲共済の必要性を実感

金保 伸吉さん 京丹後市

私が組合長を務める和田野区農事組合は地区一体で農地の管理を行っています。和田野区は主に水稲の栽培が盛んで、水稲共済がとても役に立っています。災害補償の面もそうですが、申込書のとりまとめによって区内の耕地の状況を把握でき、地区にとっても必要不可欠なものです。

農地の管理ができる状況もあり、2020年に和田野区内の有志で「農業を考える会」を設立しました。同会では遊休農地の活用や、農家への労働力の提供、若手育成のための組織づくりの提案など幅広い活動を行っています。

近年耕作者の高齢化と遊休農地の増加に悩まされています。水路の管理などにも頭を抱えています。

これらの問題を解決するため遊休農地活用のひとつとしてソバの栽培をしており、有志で集まってソバの花見をした後に自分達で食べる楽しみもあります。

これからも共済部長として水稲共済への加入推進に努め、農家の協力のもと、地区の農業を守っていきたいです。

丹後支所
共済部長歴7年
担当戸数17戸
水稲50アール

2021年3月2週号

5段張りの電気柵 24時間通電が効果

農事組合法人印内営農和の郷 福知山市


「地域の方々と協力し合っている」と植原さん(令和3年1月に撮影)

シカが飛び越えないよう5段張りにした電気柵。

「『自分たちの農地は自分たちで守る』を理念としてやってきた」と話すのは、福知山市の農事組合法人印内(いんない)営農和の郷(構成員21人)の代表・植原勇さん(78)。水稲469㌃、麦・小豆500㌃を栽培している。

「2017年の春先に麦の芽をシカに食われ、全滅だった」と話す植原さん。07年から山中に電気柵を設置し、その5年後に耐久性が高いワイヤメッシュに替えた後の被害だった。「ワイヤメッシュが行き届いていなかった川から伝って上がってきたことが原因」

その対策として農地をブロック単位にして電気柵を設置した。京都府中丹西農業改良普及センターの指導を受け、柵線の位置を5段張りとし、本体は多めに設置。「作付け後、24時間通電させることで被害は最小限に抑えられている」と効果を実感する。

また、猟友会との協力体制も強く、捕獲檻を5個保有し、山中に設置して個体数減少を狙う。

さらに今年からは緩衝地帯(バッファーゾーン)の整備にも取りかかる。「竹を伐採して野生動物の隠れ場所をなくし、山へ追いやることで、ワイヤメッシュの効果が高まる」と話す。

「この地域は農地・環境保全に対する意識が高い。草刈りの頻度も高く、管理を徹底している。それが獣害対策の効果を上げている」と分析する植原さん。「獣害対策は難しいが、継続することが重要。地域の方々と協力しながら続けていく」と話す。

2021年2月4週号

傾斜地の草刈り 「すべらず君」で安全に

乾 光男さん 京丹波町


「すべらず君」。石が多い場所では付属の専用ゴムを取り付ける

「すべらず君」を履く乾さん。「約45度の傾斜を想定している。急な斜面でも滑らないので作業が安全になり、楽で早い」と話す

傾斜地での草刈りに便利な作業用履物を開発した京丹波町の乾光男さん。「すべらず君」で商標登録申請中で、販売に踏み切る。

乾さんは自営業の傍ら、約60㌃の農地を所有し、知人に約25㌃を委託する。残りの農地は耕作せず自身で管理していて、「傾斜地での草刈り作業中の事故が多く危険を感じ、作業用履物を製作した」と話す。

長年使っていた履物が専門家の目に留まり、意匠登録を目指すことになった。弁理士に相談しながら手続きを進め、一昨年5月に特許庁に出願し、昨年1月に認可された。

「水田畦畔(けいはん)などの傾斜地の雑草駆除問題は全国的に多い。必要な人がたくさんいるのでは」と販売を決意。材質を鉄からアルミに改良して軽量化を実現。石の多いところでも対応できる工夫を加え、強度検査も公認され、今年1月に3回目の登録がされた。

「事故を少しでも減らしたい」と力を込め、販路開拓を進めていく。

▽乾光男さん=090(6755)8880

2021年2月2週号

伝統食作りを通じて 郷土の魅力を伝えたい

京丹後塾 代表 高橋 茂さん 京丹後市


前列中央が高橋さん、前列左が由村さん

黒豆味噌を紹介するメンバー。主にイベントなどで販売し、リピーターも多い

京丹後市で「郷土の魅力を発信しよう」と活動する住民グループ「京丹後塾」。男性17人、女性16人の有志で構成され、地元を離れた人もメンバーとなっている。

代表の高橋茂さん(72)は、「『高齢者も若者もみんな生き生きとする地域づくり』を目指している」と話す。

地域のイベントで郷土料理「丹後ばら寿司」などの試食会や小学校での郷土料理講習会を開く他、高橋さんが栽培した黒豆と、メンバーの由村愛子(71)さんが栽培した米を使用した「黒豆味噌」を製造・販売するなど、活動は幅広い。

由村さんは「いろいろな年代の人との交流があって楽しい。地元の魅力を伝え続けたい」と話す。

高橋さんは「今年はJA京都や京都府と協力し、小学校での調理体験イベントも予定している。食を通じて郷土への思いを強めてもらえたら」と話す。

2021年1月4週号

園児を対象に農業体験 農業の楽しさ伝えたい

四方康之さん・和子さん夫妻 綾部市


農作業は協力して行い、農業体験の内容は康之さんが主導で進めるという

「農業体験は食育の場にもなる」と話すのは綾部市の四方(しかた)康之さん(64)・和子さん(59)夫婦。12年前、和子さんが調理師として勤める市内の保育園から田植え体験をさせてほしいと依頼があったことを機に、同保育園の園児を対象とした農業体験を始めた。

収穫期には、園児たちが植えた稲を自分たちで刈り取る稲刈り体験を行い、収穫したもち米を使って餅つき大会を行っている。また、サツマイモやジャガイモの収穫体験も行う。

「子どもたちの生き生きした笑顔を見るとうれしい」と話す和子さん。康之さんは「作る・育てる・収穫する・食べる。すべての過程に喜びがある。それを子どもたちに伝え続けたい」と意欲を見せる。

▽水稲70アール、野菜10アール(夏野菜約20品目、冬野菜約10品目)

2021年1月3週号

農業保険の必要性を実感

明田 肇さん 京都市

私の住む集落は水がきれいなところで、主に米作りが盛んです。しかし、近年では農業者の高齢化や兼業農家の増加、担い手不足が課題となっており、集落内での獣害対策などの圃場管理が困難になってきています。

今年は水稲で全国的にトビイロウンカの被害が多発し、京都府でも33年ぶりとなる警報が発令されました。京北地区は幸い、早生品種が多く、被害を最小限に押さえることができました。自然災害や獣害も例年に比べるとやや少なかったところではありますが、どのような災害が起こるかわからない時代になってきているので、農業を続けるためには農業保険はとても必要だと感じています。

自然災害や獣害からも農地を守れるように備えが必要になると思いますし、なにより農家が安心して農業をできるように、私自身も農業保険を推進していきたいです。

輸入品に負けない農作物を作り、おいしいお米や野菜を多くの人に食べてもらいたいと思います。

京都支所
共済部長歴10年
担当戸数20戸
水稲686.3アール、その他野菜53.6アール

2021年1月1週号

聖護院大根 柔らかさを大切に

二木重雄さん 久御山町


二木さん(左)と聖吾さん。「今年は昨年よりも良い聖護院大根を作りたい」と話す

一つ一つ丁寧に洗い、積んでいく

久御山町東一口(ひがしいもあらい)の二木(にき)重雄さん(71)は、「聖護院大根(しょうごいんだいこん)」を60アールで栽培する。「みずみずしさがあり柔らかいのが特徴。青首ダイコンのような苦味や辛味が少ないです」と話す。

東一口地区は干拓地で、丸ダイコンの栽培に適した土質のため、肉質が緻密になり、荷崩れしにくいと評価が高い。

父親が始めた聖護院大根栽培を二木さんが引き継いだ。その頃(昭和30年代)は30戸が栽培していたが、後継者不足などが原因で現在は12戸となっている。

二木さんは地区の生産者組織の代表を務め、聖護院大根の他、水稲200アール、野菜40アールを栽培する。「聖護院大根の栽培にも温暖化の影響があって、品質を維持するための苦労が絶えない。でも、農業を楽しんでいる」と話す二木さん。娘の夫の聖吾(しょうご)さん(37)という担い手も得て、「お客さんが満足する聖護院大根を作り続けたい」と話す二木さんだ。

2020年12月2週号

絆生まれる拠点

住民グループ「温江村づくり委員会」 与謝野町

与謝野町温江(あつえ)地区では、住民有志が地場農産物の直売と加工活動に取り組み、地域活性化につなげている。


「楽しくにぎやかな直売所です」と笑顔の千賀さん

調理場で一つ一つ手作りする

多彩な地場農産物を陳列

住民グループ「温江村づくり委員会(代表=千賀誠八郎(せんがせいはちろう)さん・76歳、会員15人」が運営する農産加工直売所「あつえ彩菜館」は2015年に開店。品ぞろえは地域で生産された農作物の他、郷土料理「ばら寿司」や煮物、大福などの甘味、手芸品など多岐に渡る。

同委員会は男性7人、女性8人で構成され、役員は区長が務めるなど地区も協力している。男性は力仕事や事務作業、女性は調理を担当。調理は直売所内の加工スペースで行う。

温江地区は水稲やイチゴ、キュウリ、ナス、ネギなどの生産が多く、それらを使った加工品が人気だ。千賀さんは「春に販売しているイチゴ大福が特に人気。夏はブルーベリー、秋はクリ、冬はミカンと季節の味を楽しめるよう工夫している」と話す。

商品開発にも積極的で、今年新たに酒造好適米「祝(いわい)」の米麹〈こめこうじ〉と青大豆を使ったみそを製造し、「祝みそ」として販売している。

新商品開発も積極的に

新商品はメンバーが自発的にアイデアを出す。家庭で作ったものを持ち寄って全員で試食し、「これいいね」という声で新商品が生まれるという。「来ていただくお客さまに常に喜んでいただくためにスタッフ全員で取り組んでいる」と力を込める。

スタッフの林順子さん(72)は「地元ということで気軽にコミュニケーションをとることができ、楽しく仕事ができている。今までつながることのなかった世代の人たちとのつながりも生まれた。加工直売所が地域交流の中心となっている」と話す。

「今後は若い人にも関わってもらい幅広い年代が活躍する組織にしたい。この加工直売所が農業や地域全体の盛り上がりに貢献できるようなものになっていければ」と千賀さんは意気込む。

▽農産加工直売所「あつえ彩菜館」=与謝野町温江堀池490

2020年11月4週号

いい夫婦 支え合って農業

田中 忍さん 優子さん 南丹市


「慣れないことが多く大変だが、楽しく農業をしたい」と話す田中さん夫妻

シュンギクの定植。来年から道の駅にも出荷する

担い手として1年目 栽培技術向上に懸命

南丹市の田中忍さん(34)・優子さん(33)は今年1月に就農。ハウス2棟でシュンギク、露地約6アールでナス、水稲約10アールを栽培している。「夫婦だと遠慮せずに言い合えるのが良い。効率も上がる」と話す。

忍さんは、会社に勤めていたころ、京都市内の青果市場で紫色のダイコンなど珍しい野菜を見て衝撃を受けたという。「自分も野菜を作りたい」と就農を決意。京都府主催の「担い手要請実践農場」で2年間の研修を受け就農した。

「出荷先のスーパーに持って行ったときに、お客さんに声をかけてもらえるのが嬉しい」と笑顔を見せる忍さん。

優子さんは、「昔から自分で経営をしたいと言っている姿を見てきた。農業がしっくりきたのだと思う」と振り返る。

「妻は、就農に反対せずついてきてくれた。背中を押してくれる頼れる存在」だと言い、「夫は穏やかで優しい人。自分の進みたい道へ進んでいく力強さがある」と寄り添う。

農作業は協力して行っていて、「分からないことだらけ」と話す。特にナスの畝立てに苦労したという。忍さんが何度もやり直すがうまくいかず、近所の先輩農家に手本を頼むと簡単にできた。「技術も高めていきたいと思った」と振り返る。今は、実践農場の講師のもとへ積極的に聞きに行って、見学させてもらうなど熱心だ。

「妻に家のことや子供のことを任せっきり。感謝してもしきれない」と話す忍さんに、「忙しい中でも子供との時間をとってくれるのがうれしい」と優子さんは笑顔で応える。

「今後は、栽培面積を拡大しながら品目も増やし、販路を開拓していきたい」と展望を話す。

2020年10月4週号

楽しい地域づくり これからも

居母山クラブ 会長 飯尾恒洋さん 福知山市


左から飯尾さん、中島千弘さん、衣川良憲さん、衣川秀正さん

田んぼアートは9月中旬に見頃を迎えた

福知山市夜久野町の住民有志でつくる「居母山(いもやま)クラブ(会長・飯尾恒洋(いいおのぶひろ)さん・76歳、会員約50人)」が田んぼアートを作成した。「新型コロナウイルス感染症終息」の願いを込めて、クラブのマスコットキャラクターがマスクをつける姿と「ストップ」の文字を浮かび上がらせた。

田んぼアートは今年で15回目。例年は地域おこしのイベントとして府内外から約100人を募集し、田植えや稲刈り体験を実施しているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため会員だけで実施した。

3種類の古代米ともち米を使用し、デザインは会員同士で相談して決めたという。

飯尾さんは、「自分たちの思い通りに絵が仕上がった。見た人にきれいと言われることが一番うれしい」と笑顔を見せ、「田植えの準備や雑草管理など大変なことはたくさんあるが、地域全体が楽しめる活動を続けていきたい」と展望を話す。

2020年10月3週号

研修経て新規就農 土作り万全に品目増

岡本 健さん 京丹後市


「学舎で学んだことを生かせている」と自信を見せる岡本さん

京丹後市の岡本健さん(26)は今年で就農3年目を迎える。現在ハウス1棟で加工用ネギ、露地で加工用ネギ40アールとキャベツ30アールを栽培している。

兵庫県出身の岡本さんは、大学で経済学を学び食料問題に関心を持った。自分の裁量で収入を得ることのできる農業に魅力を感じたという。京都府の職員から「丹後農業実践型学舎」の紹介を受け、京丹後市での就農を決意した。

学舎では2年間で主にキャベツの栽培について学んだ。「知人からネギも栽培したら収入が安定すると助言を受けた。年3回収穫できるので効率が良い」と話す。

農地には石が多く、腐植資材を入れるなどして土壌改良に努めている。「農地の管理も大変だが、朝収穫したネギを夜中まで一人で皮むきをしているときが一番しんどい」と農作業の苦労を話す。

「つらいことも多いが、自分が作った野菜が売れたときの喜びで奮起できる。来年からは栽培品目を増やし、新たな収入の柱となる作物を模索していきたい」と今後の展望に思いが広がる。

2020年10月2週号

獣害、自然災害に備え

浦辻克暢さん 木津川市

担当する木津川市加茂町尻枝地区は山間地で夜温が低く水もきれいなため、良質な米や野菜が収穫できます。

私は家族4人で水稲や夏秋キュウリ、ホウレンソウ、キャベツなど約50種の露地野菜を、農薬の使用量を極力抑えて栽培しています。収穫した野菜は飲食店や個人宅に直接配達しています。

販売を始めたころは数戸の配達でしたが、口コミなどから評判が広がり、今では50戸程度になりました。

飲食店へは注文を受けた野菜を届け、個人のお客さまには、その日の朝に収穫した野菜を数種類入れたセットにして届けます。毎回同じ野菜にならないよう工夫するため、栽培品目が多くなります。

最近ではイノシシなどの獣害や異常気象が発生するので、栽培管理に苦労します。また、いつ病気や怪我をして営農ができなくなるかわからないので、農業共済と収入保険は必要です。

各農家が自分に合った制度を選ぶよう推進したいと思います。

山城支所
共済部長・損害評価員歴1年
担当戸数36戸
水稲2ヘクタール、露地野菜1ヘクタール

2020年9月4週号

定住促進・移住支援をサポート

吉田宙斗さん 南丹市


「今年は出来が良いです」と吉田さん

「自分がモデルケースになることで、農業をしたい人が南丹市に来るきっかけをつくりたい」と話す地域おこし協力隊員・吉田宙斗(よしだひろと)さん(24)は、44アールの圃場で主にサツマイモを栽培。同市の定住促進と移住支援の一翼を担っている。

兵庫県の非農家出身の吉田さんは、就職先で農業部署に配属され、農業に興味を持った。「福島県で耕作放棄地を利用したサツマイモ栽培に携わり、一からものを作る楽しさを知った」と振り返る。

就農を目指して、南丹市の協力隊に昨年9月就任。地域の農家から耕作放棄地を借り受けた。

作付けているサツマイモは4種類で、中でも白安納芋の一種「七福」はブランド化を目指しているという。

就農当初からの相談相手である南丹市集落支援員の下澤博さんは「吉田さんのもとに他の地区から作付けの依頼がくるほど地域の人気者。耕作放棄地となっている土地は、若い人が頑張ってくれるならと快く貸してくれた」と評価する。

吉田さんは、「当面の目標は栽培面積の拡大と売り上げアップ。成果を出して農業のイメージを変え、若い就農者を増やしたい。それが日本の農業と畑を守ることにつながれば」と展望を話す。

2020年9月3週号

放置竹林解消へ 竹紛入りぬか床100キロ超出荷

池姫竹炭組合 舞鶴市


池姫竹炭組合のみなさん。後列左から森本さん、杉本時夫さん、井上孝空さん、波多野将秀さん、前列が村上栄優さん

同組合の商品の数々

増加し続ける放置竹林の対策に取り組む舞鶴市の池姫竹炭(いけひめちくたん)組合(森本周次代表=70歳、組合員5人)は、2001年の結成以来、竹炭や竹酢液など竹の用途開拓に取り組み、昨年春、「竹パウダー入りぬか床」を商品化した。

伐採したモウソウチクを洗浄し、専用機械で粉末にして乾燥させ、米ぬかや塩などと混ぜ合わせた後、約3週間かけて発酵させる。

同市内のJA京都にのくにの直売所などで販売している。竹の成分が水分を吸収・保水するため水抜きの必要がなく、竹が持つ制菌作用で床まぜが不要、また、乳酸菌が増える効果もあるという。

この管理の手軽さが評判で、夏場のピーク時には月の出荷量が100キロを超える。竹を40キロ以上使ったことになるという。

「放置竹林が少しでも減るきっかけになれば。若い人にも手軽にぬか漬けを楽しんでほしい」と期待を込める森本さん。今後は、「若い組合員を増やし、次代に引き継いでいきたい」と話す。

2020年8月4週号

空心菜 水耕で周年出荷 栽培拡大に意欲

川﨑継太さん 久御山町


「葉酸も豊富に含まれるので、妊婦さんにもお勧めです」と話す川﨑さん

空心菜を収穫する川﨑さん

水耕施設で空心菜〈クウシンサイ〉を栽培する久御山町の「株式会社Kawau Farms」代表・川﨑継太さん(34)は、「ビタミン類やカルシウムなど栄養素を多く含む優秀な野菜です」とPRする。

空心菜は東南アジアの温暖な地域が原産の野菜。同社では、地下水と液肥で水耕栽培を行っている。土耕に比べて害虫が侵入しにくく、薬剤散布が極めて少なく済むという。「安全・安心をモットーに、体に良い野菜作りを目指している」と川﨑さん。

冬場は温水と暖房を稼働させるため、年間通して収穫し、「くうしん菜」の商品名で府内外へ出荷する。

水耕栽培の空心菜は柔らかく、生で食べられると好評を得ていて、川﨑さんは「今後は、空心菜の栽培規模を拡大していきたい」と意気込んでいる。

▽経営規模=空心菜鉄骨ハウス18アール、トマト鉄骨ハウス12アール、水稲130アール

2020年8月3週号

農地保全や獣害対策 集落一丸となって一歩ずつ

農事組合法人久理陀ファーム 代表理事 狩野重幸さん 宮津市


山際3・8キロメートルにわたって張ったワイヤメッシュを前に狩野さん

「地区をまとめるのは大変だが、気持ちを強く持ち団結することが大切」と話すのは宮津市の狩野重幸さん(70)。農事組合法人久理陀(ルビ・くりた)ファームの代表理事を務めている。

同法人は、2018年2月に営農組織から法人化を果たし、集落の農業者71人の組合員が、水稲4ヘクタールの栽培を主に集落の農地管理を行っている。

営農組織のころから生産調整について意見が交錯していて、組織内の統制が取れずにいた。役員が中心となって何度も話し合いを重ねたことで、数値目標を達成することができた。狩野さんは、「すぐに結果に結びつくとは考えず、いつも挑戦する気持ちで活動をしている」と話す。

獣害に対しても、組織一丸となって対策を講じた。山際にワイヤメッシュを3年がかりで張り巡らした。

狩野さんは、「集落の農地をしっかり守っていくことが一番の目標。保全管理地や畑地の有効活用ができないかと考えている」と展望を話す。

2020年8月2週号

地域農業を守るために

西田 強さん 福知山市

西田 強さん(64歳) 福知山市

私の住む地区は、福知山市の中心部から約20㌔離れた中山間地です。過疎・高齢化や離農の影響で年々耕作放棄地が増加しており、地区内の景観にも影響が及んでいます。

最近ではシカの生息数が急増したことで、毎年農作物が荒らされる被害が出ています。山裾に金網フェンスを設置していますが、完全に防ぐことができず、フェンスの内側にも電気柵やネットを張っています。ここまで手を尽くしても被害が出ているのが現状です。

耕作放棄地の対策としては、地区内で有志を募って草刈りや耕うん作業を行い、少しでも景観が保たれるように取り組んでいます。また、水田は地区内の労働力では限界があるので、地区外からも協力を得ています。

私は兼業農家となり、約30年経ちました。自然の中で作物を育てることに喜びを感じますし、収穫時には達成感があるので農作業は楽しいです。

近年の異常気象による自然災害やシカなどによる農作物被害の減収を補うには農業保険制度が不可欠だと考えています。農業に感謝しつつ、これからも地域の農業を守っていきたいと思います。

中丹支所
共済部長歴2年
担当戸数29戸
水稲105アール

2020年7月4週号

特産タマネギ 産地再興へ一丸

亀岡市地域水田農業活性化協議会 会長 酒井美明さん

亀岡市曽我部町で特産品「玉ねぎ」の名称で扱うタマネギ「もみじ3号」の再興に取り組んでいる酒井美明さん(72)。亀岡市地域水田農業活性化協議会の会長を務め、「特産品を通して地域を盛り上げたい」と意欲を見せる。


タマネギを収穫するメンバー。重労働になる収穫作業は機械の導入で省力化を図る

「これからも地域のために栽培を続けていきたい」と酒井さん

曽我部町地区でタマネギの栽培が始まったのは、昭和30年代後半。昼夜・季節ごとの寒暖差が激しいことから、甘くておいしいタマネギが育つ。玉ねぎとして特産化し、最盛期には300戸以上の農家が栽培していた。しかしその後、後継者不足などが原因で生産量が激減。収量は約3トンまで減ってしまった。

玉ねぎを復活させよう」という計画は、地域の圃場整備事業をきっかけに高まり、酒井さんらと行政、農業団体、販売業者が協力して、2018年、亀岡市地域水田農業活性化協議会を結成。「玉ねぎ再興プロジェクト」がスタートし、地区内の4集落26人が、約40アールの圃場で栽培した。

昨年の収穫量は約24トン、今年は2集落増え、計6集落34人、約80アールで約50トン収穫した。

人手不足には機械化で対応

酒井さんは、「栽培には、休耕田や圃場整備事業で整備された圃場を活用している。地域振興の役に立っていることがやりがいにつながっている」と話す。

「人手不足や後継者不足は課題として残る。少しでも解消していきたい」と力を入れているのが、農作業の省力化で、定植・収穫作業に機械を導入している。また、農福連携の取り組みにも積極的で、福祉施設に出荷調整作業の一部を委託しているという。

プロジェクトで生産されたタマネギは地元の学校給食に利用されるほか、同地域に工場を持つ石井食品株式会社で地域活性化の取り組みとして開発されたハンバーグやスープに使用されている。さらに、亀岡市のふるさと納税返礼品にも選定されるなど、広く好評を得ているという。

「多くの人に食べてもらえていることがうれしい」と笑顔を見せる酒井さん。「先代から続いている玉ねぎを、再興に向けて地域の農家と団結できているのが喜ばしいこと。今後は、担い手組織と連携して次世代へ引き継ぎながら、栽培面積を拡大させていきたい」と展望を話す。

2020年7月3週号

収入保険 加入の決め手

柴野直敏さん 京丹後市

青申の実績で確実に

収入保険には今年1月に加入しました。全品目の収入が対象になるのが決め手となり、青色申告の実績で確実に補償が受けられる点にも魅力を感じます。

就農して30年。ナシは果樹共済に加入していました。大きな被害を何度か受けた経験があり、ブドウや他の野菜も保険が必要と考えていたところ、果樹専任部長会で収入保険を知りました。

青色申告は就農後すぐに始めており、収入保険と果樹共済の掛金がほぼ変わらなかったこともあって抵抗なく移行できました。

今年は春先の低温・降ひょうによる被害があり、また新型コロナウイルス感染症の影響もあると思うので加入しておいてよかったと妻と話しています。

今後は、新規顧客の獲得を目標にしていて、お客さんの立場で考え、喜んでもらえる商品を栽培し販売していきたいと思います。

2020年7月2週号

地域のブランドナス 規模拡大へ

橋本恵一さん 京田辺市


株の手入れをする橋本さん

特産ナスの栽培に取り組む京田辺市の橋本恵一さん(41)。「多くの人に届けたい」と話す。

6年前、祖父の後を継いで就農し、10アールで栽培するナスは年間約1・3㌧出荷している。

JA京都やましろが「京都田辺茄子」のブランド名で扱うナス「千両二号」は、皮が柔らかく肉厚なのが特徴。市内の生産者が担い手育成の一環として「京都田辺ナス農家養成塾」を開いていて、橋本さんもそこでで学んだ。「当初は栽培がうまくいかず苦労したが、地域の支えがあった。今でもアドバイスをもらって勉強している」と話す。

市内には共同選果場があるため、生産者は摘葉や誘引、水管理などの作業に注力できるという。橋本さんは「品質の高い京都田辺茄子を継続して栽培したい」と話し、今後は「年間を通して安定した農業経営を目指し、規模を拡大させていきたい」と意気込む。

▽経営規模=水稲75アール、ナス10アール、コマツナハウス2棟

2020年5月2週号

農福連携 笑顔が増えます

井内 徹さん 宇治市

井内徹さん 宇治市
誘引作業の準備をする井内さん。「必要とされる農業を継続させたい」と話す
井内さんと滝川さん
井内さん(右)と滝川さん。中央にある機械は新たに導入したカブの洗浄機
井内徹さんと作業員
笑顔いっぱいの作業員たちと井内さん

農作業を通じて障がい者の自立支援に取り組む宇治市の井内徹(いのうちあきら)さん(37歳)。「一昨年前から取り組んでいるこの農福連携は、作業効率の向上や農業経営の安定につながる。地域にも広げたい」と取り組み内容を解説する。

消費者や従業員など関わる全ての人の役に立てる農業経営を目指す井内さん。取り組みのきっかけは、地域の推進で共に活動していた、就労継続支援B型事業所「株式会社たくみF∞ⅰSweet(エフアイスイート)」の管理者・滝川康高さん(44歳)から「施設の通所者に何かできることはないか」という相談を受けたことだった。当初は困惑した。農作業は単純ではないし重労働も多い。

だが、事前に動画を撮影し事業所で予習をしてもらうことで、作業内容を分かりやすく伝えることができた。「皆さん飲み込みも早く、作業効率は以前に比べて非常に上がり、収益も上がった」と井内さんは喜ぶ。

春先は万願寺トウガラシの誘引作業。ほかにもカブやトウモロコシの施肥や防虫管理など、年間通して作業が行われ、基本的に作業員3人と支援員1人体制をとっている。

また、身体が不自由な作業員が作業しやすいようカブの洗浄機など新しい設備を導入し、作業環境への配慮なども工夫している。

6次化にも意欲「一層の支援を」

「時給は決して高くはないが、作業員が『初めて母にケーキを買ってあげられた』と喜ぶ姿を見て嬉しかった」と井内さん。

滝川さんは「何よりも井内さんの人柄に助けられています。作業に来る前と比べて、作業員たちの表情が明るくなり、人とのコミュニケーションがうまくなりました」と顔がほころぶ。

今後はもち米の栽培から餅の製造販売までを手掛ける6次産業化など事業拡大を目指す井内さん。「現在常時雇用ではないですが、福祉活動としてだけではなく、しっかりと利益を上げられるよう支援していきたい」と、雇用や作業員の職としての維持を意識する。

▽経営規模=水稲2ヘクタール、万願寺トウガラシ15アール、カブ1ヘクタール、トウモロコシ20アール、キュウリなど

2020年4月4週号

京野菜に魅かれて就農

呉 尚樹さん 南丹市

呉尚樹さん 南丹市
「ハウスも増やしイチゴ、スイカ、メロンなどにもチャレンジしきたい」と呉さん

「農業はしんどいより楽しいが上回る」と生き生き話す南丹市の呉尚樹(ご なおき)さん(36歳)。2019年4月に独立し、ハウス(6棟)で、京野菜のミブナ、コマツナ、露地約20アールでダイコンなど作付け、収入安定に向け日々励んでいる。

以前はサービス業に従事していた呉さん。京野菜に魅かれ、就農を決意。まずは同市日吉町の農園での「ボラバイト」から始めた。約5年の経験を積んだ頃、「もっと上を目指したい」と独立に至った。

農薬の使用は必要最低限に抑え、鮮度を落とさず出荷。消費者に安全・安心な野菜を提供できるよう心掛けている。

「大変なことも多いですが、愛情を注げば注ぐほど結果がついてくるのが農業の魅力」と笑顔の呉さん。今後は「より多くの農家さんと情報交換し、経営を安定させたい」と気合が入る。

2020年4月2週号

子供が笑顔になる野菜を

しましまファーム 田中まりさん 舞鶴市

田中まりさん 舞鶴市
「子供が喜んでくれると頑張れます」と田中さん
レシピと野菜
レシピと野菜

「良質で子供がおいしく食べてくれる野菜作りがモットー。品種選びにこだわっています」と話す舞鶴市の田中まりさん(37歳)。2015年に就農し、17年に独立。「しましまファーム」を立ち上げた。

現在は、「万願寺甘とう」を中心に「佐波賀(さばか)だいこん」や「舞鶴かぶ」のほか、さまざまな季節の野菜を14アール栽培する。

万願寺甘とう以外の野菜はすべて直売。「一番おいしい食べ方をお伝えできれば」と、手書きのレシピを必ず添える。現在、顧客は約70戸。うち20戸は定期配送している。

食育も大切にしていて、同市内の小学校を中心に佐波賀だいこんをはじめ地元の野菜の魅力を伝えている。

「将来、規模拡大をしても自分の思いを大切に農業していきたい」と笑顔で話す。