2017年度

2017年度

2018年3月4週号

水車 魅力アップにひと役

仏主水と緑を守る会 京丹波町

仏主水と緑を守る会 京丹波町
「木製の水車は、老朽化に伴い2015年に鉄製の水車に補修された」と話す藤田さん
仏主水と緑を守る会 京丹波町
水車米は道の駅で販売(3合入り350円、1キロ入り750円、2キロ入り1400円)

京丹波町の「仏主(ほどす)水と緑を守る会」は、昔ながらの農村景観を取り戻そうと2005年に地域のシンボルだった水車を復活。水車の動力を利用した「水車米」の販売などを行う。

水車米について、「炊き上がったときの粘りや風味は機械精米とは比べ物にならない」と自信を見せる同会役員の藤田勉さん(69歳)。

玄米15キロを48時間かけて水車の杵で精米することで、米粒に熱が加わらず胚芽やビタミンが損なわれないのが特徴だ。

精米して「水車米」、発電も

水車は09年に「エコマイクロ水力発電施設」として運用を始め、70ワットの出力で、田畑に設置した300メートルの獣害防止電気柵や街灯の電力を賄う。

仏主地区は、国定公園に指定された長老ヶ岳の観光コース。観光者には水車米の試食なども行い「今後も地域の魅力を伝え地域活性化につなげたい」と意欲的だ。

2018年3月3週号

夫婦で地元の魅力を発信 農家民宿もスタート

小澤 五男さん、奈弓さん 福知山市

小澤 五男さん、奈弓さん 福知山市
「民宿の食事メニューや田舎暮らしの魅力発信など夫婦で考えています」と笑顔の小澤さん夫妻。
小澤 五男さん、奈弓さん 福知山市
農家民宿の目印となる看板

福知山市の小澤五男(いつお)さん(62歳)と妻・奈弓(なゆみ)さん(45歳)夫妻は、大阪から移住して12年。農業も少しずつ軌道に乗り始め魅力ある田舎暮らしを伝えようと夫婦で試行錯誤している。

「雪が多いとは聞いていたがここまでとは」と、移住後初めて迎えた冬の厳しさに驚いた五男さん。雪下ろしのために初めて屋根に上がった時は足が震えた。奈弓さんは「自然と向き合いながらの生活は何もかもが新しい体験です。主人が石臼で挽いたそばは本当にごちそうですよ」と日々の暮らしに喜びを感じる。

初めは知り合いから田を数枚借り受けて作付けしていたが、集落の住民とも交流を深めるうち、少しずつ面積を拡大してきた。現在は、約40アールの圃場を借り、米、野菜、キノコ栽培を行うほか、そば打ちやこんにゃく作りにも励んでいる。

手間の掛かるキノコ栽培では、マイタケやシイタケ、ナメコ、ヒラタケなど多品目を栽培し、レストランなどに卸す。「以前、都会で食べていた米や野菜は普通においしいと感じていたが、ここに来て、自ら手を掛けて作る作物は格別」と味に自信を持つ。

「今後は、通年で栽培する作物のさらなる販路開拓に取り組みたい」と意気込む五男さんだ。

今年から、農家民宿「そばの実 おざわ」を開業した。新たなチャレンジがここでの暮らしの原動力につながっている。

2018年2月4週号

収穫に喜び 色鮮やかな野菜に自信

田内 文弥さん 京丹波町

田内 文弥さん 京丹波町
「野菜は生で食べるのが一番」と田内さん

非農家で育った私が就農を志したのは、高校で農業を専攻し、収穫した野菜に「おいしい」という言葉をもらったことでした。

その後は農業大学校を卒業し京丹波町で就農。5年目を迎えた現在は、水稲50アール、「新丹波黒」5アール、ハウス5棟と10アールの圃場で、早取り金時ニンジン「京かんざし」や藤色の小カブ「京の舞妓ふじ」、色鮮やかな野菜などを約60品目栽培しています。

中でも紫ミズナや赤茎ホウレンソウは人気が高く、レストランからの栽培依頼が絶えません。

野菜は生サラダで食べるのが最良という私自身の考えもあり、栽培期間中は農薬を使用せず、木酢液を用いて安全・安心な野菜を提供できるよう心掛けています。

収穫した野菜は地元の道の駅や飲食店などへ出荷し、学校給食にも使われています。

最近は、出荷先から信用を得られるようになり、新たな野菜の栽培依頼が増えてきました。作業は一人で行うので時間が足りないことがうれしい悩みです。

これからもさまざまな野菜に挑戦し、地域農業の活性化に役立ちたいです。

京丹波町 田内 文弥さん(25歳)

2018年2月3週号

力になります 就農目指した移住の不安を解消

二ノ倉 順子さん 伊根町

就農目的での移住を考えている人に、地域の良さや子育て環境の素晴らしさを伝え、移住を支援する活動を行う伊根町の二ノ倉順子(にのくらじゅんこ)さん(55歳)。4年前に女性農業士を務め、昨年京都府の「農林水産業功労者表彰」を受賞するなど、農林水産業の振興・発展に貢献している。

二ノ倉 順子さん 伊根町
「主婦目線で不安を解消してあげたい」と二ノ倉さん
二ノ倉 順子さん 伊根町
支援を通じて知り合った仲間と楽しく情報交換。左から岡本厚子さん(35歳)、二ノ倉さん、川村美紀さん(45歳)

自身も兵庫県神戸市からのIターンだったという二ノ倉さん。会社勤めをしていた夫が就農を決意したことを機に、2003年春、当時よく遊びに来ていた伊根町へ家族で移住した。

移住後はミズナや「九条ねぎ」を育てるという、都会的な生活とは正反対の毎日。まだ小さい子どもを抱え、初めは戸惑ったという。

しかし、伊根町の人々の温かさに触れ、祭りや運動会などを通して地域に溶け込めた。「天気のように人生にも曇りと晴れがあって良いのだ」と、都会にいた頃よりリラックスした生活を送っている自分に気が付いた。

今度は自分が次の世代に

「移住を考えている家族、特に奥さんは、地域になじめるかや、子育てに関する不安を持っています。Iターン組の年長として、主婦目線での経験や地域の魅力を伝えています。これまで多くの人に助けてもらい、自分がこんなに良くしてもらったのだから、今度は自分が次の世代にしてあげたい」と笑う。

伊根町企画観光課の向井主事は「田舎への移住は地域とのつながりを大切にしないと失敗します。二ノ倉さんには、そのつながる決め手となってもらっています」と話す。周囲からの期待も高く、今年4月からは京都府農業士会女性部の会長を務めることになっている。

「大学生となった長男が、(将来)帰ってきたいと言ってくれた時は、伊根に来てよかったと胸が熱くなりました」と喜ぶ。「そろそろ新しいことを始めたい」と心が躍る。

2018年2月2週号

京地どり じっくり育ててうま味引き出す

岡本ファーム 福知山市

岡本ファーム 福知山市
「自信を持ってお薦めします」と岡本さん

濃厚な味と歯ごたえのある「京地どり」を飼育し加工販売を行う福知山市夜久野町の株式会社岡本ファーム(代表・岡本将孝さん=44歳)。

京地どりは従来鶏の父系に脂肪分が少なく、肉締まりの良いシャモを掛け合わせた高品質な肉用鶏だ。

同ファームでは、通常の地鶏の飼育期間(75日)に比べ100日以上と時間をかけ、餌には自社農園で農薬に頼らず栽培した飼料用米を配合。手間暇かけ穏やかな環境での飼育が、上品な味を生み出す。

昨年10月には新聞「日経MJ」の国産ブランド主要鶏肉を対象とした調査で京地どりが9位と初ランクイン。「京地どり肉セット」は同市のふるさと納税の返礼品に選ばれている。

現在は、地元を中心に地鶏の各部位を販売するほか、鶏がらスープ、そぼろ、鶏ハム、味付けから揚げ用肉なども販売している。

2018年1月4週号

花菜 品種リレーで長期出荷

長岡京花菜部会 長岡京市

長岡京花菜部会 長岡京市
「花菜の産地として栽培面積を増やしていきたい」と話す山本部会長

長岡京市で栽培される「花菜」は、今が旬のブランド京野菜として知られ、早生、中生、晩生と品種を組み合わせ、11月下旬から3月下旬まで収穫を行う。

「他の産地に負けないように頑張っています」と話すのは、長岡京花菜部会の山本信昭部会長(66歳)。

花菜は、切り花用の伏見寒咲きナタネを改良し、開花前のつぼみを食用にしたもので、栄養価が高くβカロテンの他、カリウムやカルシウム、マグネシウム、リン、鉄なども豊富に含んでいる。

花菜は心地よい歯応えと独特の風味が特徴で、さっと茹でて、からし和えやお吸い物の具、おひたしなどバリエーションが豊富な食材だ。

山本部会長は「花菜の生産量を増やし、生産地を盛り上げていきたい」と話す。

2018年1月1週号

紹介します わが家の頼れる存在(ひと)

(母)中西幸代さんから(息子)文彦さんへ 南丹市

背中を追いかけたい人、隣を一緒に歩いてくれる人、後を追ってきてくれる人ーー家族にそんな存在がいることは心強く、頼もしい。日頃の感謝の気持ちやエールを家族から伝えてもらいます。

(母)中西幸代さんから(息子)文彦さんへ 南丹市
「非常に勉強熱心です」と幸代さん

息子が8年前に就農し、それまで夫婦2人で酪農とハウス栽培と水稲の管理をしていたので、本当に助かっています。

おっとりした性格の息子ですが、勉強熱心で、自分の思う栽培管理や販売方法には妥協せず強い信念を持って頑張っています。今は年間の栽培計画を模索中ですが、作業が重なり慌ただしくなっても、こだわりの性格ゆえ手助けしにくいですけどね。

料理好きの息子は野菜の販売にもレシピを付けるなど工夫を凝らしています。キッチンで一緒に料理しながらしゃべることも多いので、夫と息子の意見の橋渡しが私の役目になっています。

生き物を扱う仕事なので休みがありません。体が資本なので病気には気を付けて無理せず頑張ってくださいね。

▽なかにし・さちよさん(60歳)、ふみひこさん(32歳)

▽経営規模 酪農(経産牛19頭)、ハウス6棟、水稲3ヘクタール

2017年12月2週号

喜びの声をやりがいに 道の駅の直売所が復活

滝・金屋農業振興会 与謝野町

滝・金屋農業振興会 与謝野町
よさの野菜の駅は農業者の試作品も含め、自由に出荷・陳列できるのが特徴
滝・金屋農業振興会 与謝野町
「地元農家の要望で再開が実現しました」と熱心に話す責任者の永島さん

生産者や消費者の期待に応えて、2017年3月末で休館した与謝野町の道の駅の直売所を再開させた「滝・金屋農業振興会(代表=伊藤公博さん・50歳、会員約120人)」。「よさの野菜の駅」に名称を変更し、6月10日に野菜、加工品などの直販所として開業した。

「立ち上げまでは本当に苦労した」と話す振興会の副代表・永島洋視(ひろみ)さん(62歳)は、同駅の責任者となり、生産者への支払いなど経理業務も担当している。「生産者にもお客さんにも、とても喜んでいただいています」と笑顔で話す。

登録農家数は85戸で常時約50戸が出荷。自由に出荷・陳列し、値段を決められるのが人気で、売れ残りは農家が持ち帰る。レジにはPOS(販売時点情報管理)を導入し、生産者には午後1時と5時に販売状況をメールで配信している。生産者に好評で、メールを見て商品の補充に来る農家や売上額を伸ばそうと研究する農家もいるなど、農家同士の張り合いも出てきた。

利用者は同町の住民が多く、新鮮で安価に購入できると喜んでいる。平日は約80人、土・日曜日は約120人が来店する。「今後も、与謝野町の農業振興のために、直売所を残していきたい」と意気込む永島さんだ。

▽よさの野菜の駅=与謝野町字滝98 電話0772・42・1285
▽開設日時=平日は午前9時~午後3時、土・日曜日は午後5時まで
▽水曜定休

2017年11月4週号

日本一の経営者に

仲 純輝さん 南山城村

仲 純輝さん 南山城村
「経営規模を拡大して全国一番をめざします」と仲さん

3年前、祖父の後を継ぎ、将来を見据えて会社経営を始めました。今では茶の生産から加工・販売(入札)、また生産者から持ち込まれた茶の加工など、全てを自分自身で考えて行い、日々やりがいと達成感を感じています。

茶の栽培が好きな祖父の影響で私自身も茶が好きになりました。大学卒業後1年間は会社勤めをしましたが、茶の魅力に引き戻されるように就農しました。

現在、私と父と従業員2人、農繁期にアルバイト2人の6人体制で頑張っていますが、将来はもうワンステップ経営規模を拡大して地域で一番、京都で一番、全国で一番を目標としています。

農業は天候に左右され大変ですが、毎年新茶ができたときが一番の喜びを感じる瞬間です。自分が理想とする納得できる茶を生産することは難しいですが、時代が求める茶の生産、経営者をめざして日々努力しています。

農業共済制度の見直しで「収入保険制度」が新しくスタートしますので、経営者として加入を検討中です。

▽経営規模 茶7ヘクタール

南山城村 仲 純輝(なか あつき)さん(29歳)

2017年11月3週号

私のイチオシ「米麹」 杜氏の指導を受けて

志賀郷特産品加工センター 綾部市

志賀郷特産品加工センター 綾部市
加工グループのメンバー。中央が竹原さん。
志賀郷特産品加工センター 綾部市
イチオシの「米こうじ」250グラム300円(右)と、米麹を使用した「万願寺甘唐みそ」300円。

「良質の米麹(こうじ)は甘くてふっくら毛が生え、中まで真っ白」と目を輝かせるのは、綾部市の志賀郷(しがさと)特産品加工センター代表の竹原由海子(ゆみこ)さん(65歳)。

2011年に同センターの存続をかけて加工グループを結成し、「米こうじ」を中心に地域の農産物を使った加工品作りに取り組む。

「ほかには負けない米麹を造りたい」と、杜氏の指導を受け勉強を重ねた。さらに2年前に地元住民に建ててもらった麹室(こうじむろ)を使うことで、良質で安定した米麹に仕上がった。

「顔の見える関係を大切にしたい」と「JA彩菜館」など近隣の直売所を中心に毎週250グラム入り、500グラム入りを約140パック出荷。みそ造りや甘酒に使おうと購入を待ち望む人がいるなど評判も上々だ。

加工グループのメンバーは7人。同センターの存続のため、「今後は加工グループの後継者を探したい」と情熱を注ぐ竹原さんだ。

▽問い合わせ=志賀郷特産品加工センター・竹原代表(電話090・3676・4606)

2017年11月2週号

小豆 培った観察眼で高品質・高収量

矢野 世嗣さん 京丹後市

矢野 世嗣さん 京丹後市
「小豆作りは自分に合っている」と笑顔の矢野さん

「小豆作りはマニュアル通りではうまくいかない。畑をよく観察し、その時にあった対応が大切」と話す京丹後市大宮町の矢野世嗣(よつぐ)さん(78歳)は、小豆2.4アール、水稲1ヘクタール、野菜6アールを作付けする。

7月中旬の適期に播種し、中耕・培土、消毒、追肥などをこまめに行う。「消毒はタイミングが重要。虫や病気が出る前に行わないと」と、わずかな変化も見逃さない。

土寄せなど暑い時期の作業も多いが、丁寧に作った小豆は選別の必要が少なく、多い年には10アール当たり収量が150キロを超える。

「天候や鳥獣害など思い通りにいかないこともあるが、品質向上と収量増に向けて工夫し、目標は2Lが3割を超えるようにしたい」と話す。

2017年10月4週号

集まれば大きな力 小規模農家の販路開拓を助っ人

株式会社坂ノ途中 京都市

新規就農者や若手農家は少量不安定な生産になりがちで、そのために販路の開拓に悩むことが多い――この課題を解決しようと京都市の株式会社坂ノ途中は2009年に設立された。環境に配慮した農業を広めることを目標に、農薬や化学肥料に頼らず栽培された農産物の販売や自社農場の運営、農家とバイヤーのマッチングサイトの開発などに全力で取り組んでいる。

株式会社坂ノ途中 京都市
「提携農家が丁寧に育てた旬の野菜や珍しい野菜をぜひどうぞ」と小野さん
株式会社坂ノ途中 京都市
提携農家から集荷するスタッフ(右)。対話は信頼関係をつくる大切なひととき(写真提供=坂ノ途中)
株式会社坂ノ途中 京都市
定期宅配はSMLサイズの3種類(写真はSサイズ)。毎回おまけ付き(写真提供=坂ノ途中)

「新規就農者が丁寧に栽培した野菜は品質も良く、本当においしい」と話す代表取締役の小野邦彦さん(33歳)。提携農家は関西を中心に約150軒、そのうちの90%が新規就農者だ。同社は、一軒一軒では少量不安定でも、全体ではまとまった量を安定して供給できる仕組みを作り、取り扱う農産物は年間400種類に上る。

販売は定期宅配が60%、その他レストランなどの卸や直営店舗(京都1店舗、東京2店舗)で販売する。

毎週、隔週の定期宅配は飽きさせないよう、同じダイコンでも週ごとに青首ダイコン、「聖護院大根」「紅くるり大根」などバリエーション豊富なラインアップで届ける。宅配先では、「子どもが野菜に興味を抱きだした。箱を開けるのを楽しみにしている」と好評だ。

就農目指す人を受け入れ
商談できるサイト開設も

13年には「やまのあいだファーム」を開設し、就農を目指す人たちの体験を受け入れる試みも始めた。

また、16年11月には、農林水産省の補助事業を活用し、農家と飲食店や小売店とが直接商談できるウェブサイト「farmO(ファーモ)」を開設。「今後、農家のための情報のプラットフォームになれば」と話す。

提携農家も、定期宅配の契約数も、少しずつ増えている。「環境負荷が小さい持続可能な農業に少しでも多くの人が共感してくれたら」と小野さんの目標は変わらない。

就農2年目の久保芽以さん(26歳)は、「少量だと品質が良くても売り先を見つけるのは難しい。小規模農家にとって頼りになる存在です」と話す。さらに「坂ノ途中を通じてお客さんの感想も聞けるので、とても励みになります」と笑顔を見せる。

▽ウェブサイト http://www.farm-o.net

2017年10月3週号

活気あふれる伝統の朝市

松花堂ふれあい市 八幡市

松花堂ふれあい市 八幡市
多くの利用客で販売者は大忙し

八幡市立松花堂庭園に隣接する昭乗(しょうじょう)広場で開催される「松花堂ふれあい市」は、同市で初めて本格的に行われた朝市。同ふれあい市は20年以上開催し続け、今も変わらず多くの利用客でにぎわう。

評判は上々で、地元産の新鮮な野菜や花などを販売し、利用客から商品をリクエストされることも多い。

開催日時は毎週土曜日午前8時30分から10時30分だが、人気商品はすぐ無くなるため早めの来場がお勧めという。

会長の南三郎さん(69歳)は「松花堂ふれあい市は野菜の販売だけでなくお客さんとふれあえ、いろいろな人と知り合いになるのが楽しみです」と話す。

最寄り駅は、京阪電鉄「八幡市駅」または樟葉駅から京阪バス10分「大芝・松花堂前」下車すぐ。

2017年9月4週号

農地を譲り受けて

清水 進平さん 木津川市

清水 進平さん 木津川市
「農業は大変だが、就農したい人なら絶対にあきらめないでほしい」と清水さん

「日本の四季を生かした、季節の野菜にこだわりたい」と話す木津川市加茂町の清水進平さん(30歳)は、兵庫県で土木関係の仕事に勤めていたが、農業高校時代から思い描いていた、「自然とともに仕事がしたい」との思いを実現しようと、26歳で一念発起。研修先を探す中、父親を通じて先に就農していた藤尾平さん(42歳)、泰恵さん(45歳)夫妻を紹介してもらった。就農への思いをぶつけた結果、体力と農業高校での経験を認められ、新天地で就農することになった。

藤尾さんが借りていた耕作地の一部を譲り受けた清水さんは、「やるしかない」の思いで、1年目は何もかも必死で学んだ。現在は70アールでナスを中心にニンジン、ブロッコリーなどを栽培。市場や卸売業者、直売所やスーパーに出荷している。

「ナスはこの地にも自分にも合っている作物だと思う。初めて出荷したときは、努力が実った思いでたまらなくうれしかったです」と思い出す。その後は台風被害も多く、「被害が出たナスは全て捨てるので4、5日収入がなくつらかったです」と農業の厳しさも経験した。市場価格の低迷にも悩まされるが、「将来は普通のサラリーマン並みには稼ぎたい」と目標を強く持つ。

下草刈りなど通じ地域交流

山際の電柵の下草刈りなどにも参加し、地域の人との交流もあるが、清水さんの一番の相談相手は藤尾さんだ。

藤尾さんは、「私も今年で就農10年目。まだまだ経験も浅く新参者の自分が受け入れるべきか迷った。でも農業の担い手が少ない中、誰かがやらないといけないと思いました。清水君は農業高校の経験があり、体力もあるし土地に合った作物を育てたいという思いが自分と同じだったこともあり、全力で応援しようと思いました。新規就農者は農地がないので、確保するのに苦労します。困ったことは相談してほしいし、何とか経営的に成功してほしい。また、支えてくれるパートナーも見つけてほしいな」とエールを送る。

2017年9月3週号

土作りを工夫 おいしさ引き出す

岡崎 浩和さん 京丹後市

岡崎 浩和さん 京丹後市
「自分で考え栽培するのがおもしろい」と岡崎さん

「『笑顔が増える食卓に』をモットーに、おいしい農作物を作るよう日々頑張っています」と話す京丹後市の岡崎浩和さん(40歳)は、脱サラ後、農業大学校で学び、現在、就農14年目。両親と共に、水稲(7.8ヘクタール)、イチゴ、トマト、モモ、メロン、スイカ、ブドウ、秋はブロッコリー、ミズナ、ネギ、ハクサイなど(ハウス10棟、露地栽培2ヘクタール)を栽培する。

「農作物のおいしさを引き出すために土作りにこだわります」と、冬場は山から落ち葉を採取し、微生物を有効に使った土作りを行う。ホンダワラなどの海藻は溶かして液肥にしてメロンに与え、カキ殻も利用するなど、作物に合った有機肥料を考える。

販売も自ら行い、広告の仕方やインターネットの活用方法など目下勉強中だ。

○Web表示上「崎」を使用しています。

2017年9月2週号

獣害対策に奮闘

高橋 律夫さん 福知山市

高橋 律夫さん 福知山市
「収穫した作物を出荷する時が一番の楽しみです」と高橋さん

農業を始めて40年。今年退職し、農業に全ての時間を費やせるので手間暇かけて栽培しています。

水稲の約半分は特別栽培米を作付けしていて、今後はさらに面積を増やしたいと考えています。また、小豆はマルチ栽培をし、黒大豆「紫ずきん」の栽培では虫がつかないように消毒したり、支柱を立てたりと作業は大変ですが、収穫時期を迎えて出荷する時は、自分のやりがいを感じる一番の楽しみです。

私の住む町は中山間地であり、獣害には大変悩まされています。地区全体を防護柵で囲み、さらに農家ごとに電気柵を設置し、柵もいろいろ工夫し補強しても、どこからともなく田んぼに侵入します。

高齢化や獣害に苦しむ農家が作付けを断念し、耕作放棄地が増加する――こういった現象が年々増えつつあります。さらに若者が定着せず、後継者不足につながり、将来、農地保全ができなくなるのではと心配しています。

農地という資源を保全し、次世代に継承できるように、また若い人材が将来、農業を担ってくれることを願い、これからも努力します。

▽経営規模 水稲97アール(うち特栽米41アール、小豆20アール、紫ずきん10アール、野菜3アール

福知山市 高橋 律夫(たかはし りつお)さん(68歳)

2017年8月4週号

住民の思い一つに 農地保全にヒマワリ

郷みどりの会 京丹後市

「区民の関心が年々高くなってきました」と話す「郷みどりの会」会長の松本禮一さん(69歳)。京丹後市網野町郷地区で、耕作放棄田(10.22アール)を活用したヒマワリ栽培を始めて10年。活動が地域に定着した。

郷みどりの会 京丹後市
今年は台風5号の影響で、ヒマワリの咲きが少し悪く、倒れてしまったという
郷みどりの会 京丹後市
「今では地域にヒマワリ畑があることを知らない人はいないです」と松本会長

郷地区は2007年、「将来にわたって集落の圃場を保全したい」との思いから、「農地・水・環境保全向上対策」に取り組もうと、松本会長と発足当時の会長で地区の住民を説得した。現在は会長のほか区長、農会長を含めた10人で構成し、保全管理に取り組んでいる。

11年にはシカによる食害でヒマワリが全滅したこともあった。地域住民から心配する声も出たが、それが逆に関心を集めるきっかけとなった。

その後は、府、市、NOSAIの指導のもと、電気柵を設置して以来、ヒマワリ圃場は被害を受けなくなり、今では草刈り作業が一番の重労働だという。

摘み取りの楽しさも提供

ヒマワリ栽培は、春の草刈り、トラクター2台での耕うん、畝立てから始まる。今年6月の種播きは、地域の子どもたちと老人会有志とが一緒に楽しんだ。花の鑑賞後は来年用の種も採るが、「背丈が短く小ぶりで、開花が遅めのヒマワリを育てています」と、地域住民が盆花にできる品種を選び、花を持ち帰る日を設けている。

ヒマワリを摘みに来た住民は「盆花として使うのに、毎年もらいに来ます。シカの被害の年もありましたが、近年はきれいな花を見ることができますね」と喜んでいる。

毎年、圃場に看板を設置し、住民に会報を発行。作業の報告や、草取り作業の協力依頼を行うなどPRを積極的に行っている。

今後は「地域の農地保全のため、若い人が中心となって継続してほしいし、自分も協力していきたい」と松本会長は意気込む。

2017年8月2週号

上品な甘さと香り「アサヒメロン」 復活呼び掛け30戸が栽培

農事組合法人旭 亀岡市

農事組合法人旭 亀岡市
「ここにしかないメロン。口コミで広まってほしい」と平井さん

7月下旬から8月中旬まで亀岡市旭町の「アサヒメロン」が収穫の最盛期を迎えている。

1960年ごろは同町で多くの農家が栽培し、贈答用に使われていたが、糖度が高いため果実が腐りやすく、管理が困難で栽培農家が減少していった。

2012年、同市の農事組合法人旭の理事長・平井賢次さん(81歳)は、「出荷作業に漂う甘い香りが忘れられない。もう一度特産品に」と同市の農業支援団体が管理していた種子を譲り受けて栽培を呼び掛け、現在は約30戸の農家が露地約20アールで栽培している。

同法人が管理する直売所「なごみの里あさひ」だけで販売され、購入者からは「甘くて上品な味わい」と好評だ。

今後は「栽培面積の拡大と、時代のニーズに合った加工品作りを目指したい」と意気込む。

2017年7月4週号

大雪でハウスに被害 周囲の声が経営継続の力

片岡 美惠子さん 福知山市

片岡 美惠子さん 福知山市
「成長を見るのが楽しみ」と作物を見つめる片岡さん

「体が続く限り、農業を続けたい」と話すのは福知山市牧の片岡美惠子さん(68歳)。今年1月の大雪でハウス5棟のうち3棟が全壊したが、周りの支援や励ましの声で農業を続ける決意ができた。現在2棟が復旧し、1棟は古いハウスを取り壊して面積を広げ、間もなく新設される。

「これまで40年以上農業をしてきてこのような被害に遭ったのは初めて。雪を何度もかきながらハウスの光景を目の当たりにしたときは、もう農業は続けていけないだろうと思った」と悲惨な光景を思い出す。

43年前、「自分の好きに思うことができる」と思い農業を始めた。父親から経営移譲された後は、経営規模を徐々に増やし、現在は、ハウス栽培のほか、水稲や麦、キュウリ、トマト、ジャガイモなど8ヘクタールを作付けしている。

「安全・安心な食材を提供したい」という強い思いから、農薬に頼らない栽培を実践し、堆肥づくりや土づくりに力を入れる。雑草や害虫防除、獣害対策が大変だという。

珍しい作物に挑戦したい

今後は「現在の経営規模を維持しつつ、周りの人が作っていない珍しい作物を作っていきたい」と意気込む片岡さん。イタリア料理で使うハーブなどの野菜、ヒヨコマメやバナナのような味のメロン、「巨峰」のようなミニトマトなど数多くの新しい作物に挑戦し、その成長を見守りたいと話す。

「NOSAIに加入していてハウス再建の自己負担を減らすことができてよかった」と笑顔の片岡さんだ。

2017年7月3週号

制度の必要性を伝える

三田 正弘さん 与謝野町

農業災害補償制度は70周年。制度と同じく今年70歳を迎える共済部長に、地域の農業やNOSAIに対する思いを聞きました。

三田 正弘さん 与謝野町
「配布物は一日でも早く届けることを心掛けています」と三田さん

「お願いされた仕事は正確に行うように心掛けています」と話す与謝野町の三田正弘(みた まさひろ)さん(70歳)。男山地域の共済部長、損害評価員、総代のほか、農業に関わる役員や補助事業などの役務を一手に引き受ける。

水稲共済細目書異動申告票の取りまとめは、「回収後に記載漏れや異動申告漏れなど細かいチェックまで行います。異動で耕作されない農地が見つかれば、受け手探しの相談も行います」と農地利用の調整も行う。

地域の信頼も厚く、「建物共済、農機具共済の加入申込書や書類の内容を農家へ説明するのに理解が得られやすい」と話す。

同地域は天橋立の景観の一部。「観光地でもあるので、荒れた農地を見せてさみしい思いをさせたくない。何とか景観を守っていきたい」と意気込む。

「この地域は災害が少なく普段は必要性を感じないが、災害はいつ起こるかわからない。わずかな掛金で補償してくれるNOSAI制度は必要だ」と話す三田さんだ。

▽経営規模 水稲72アール、畑20アール

▽共済部長歴9年、損害評価員歴15年、総代歴4年、担当戸数71戸

2017年7月2週号

舞鶴の茶を後世へ 良質な味広めたい

植和田 英子さん 舞鶴市

植和田 英子さん 舞鶴市
「次は農林水産大臣賞を受賞したい」と植和田さん

「舞鶴の茶とともに生きてきて、茶のおかげで今がある。舞鶴の茶を後世へと残していくのは恩返しみたいなもの」。そう話す舞鶴市八田の植和田英子(うえわだ えいこ)さん(75歳)は、「うじみどり」5アール、「さみどり」12アール、「やぶきた」87アールを作付けしている。

茶園のある由良川付近は、海が近いため霜の被害が少なく、川の氾濫のたびに肥沃な土が運ばれるなど、茶の栽培に適している。砂地であることも影響し、薄葉の透き通るようなきれいな色をしているのが特徴だ。

舞鶴市の茶は、全国茶品評会第66回から昨年の第70回まで5年連続で産地賞を受賞するなど評価が高い。

「舞鶴茶をブランド化して若手の茶農家に引き継ぎたい。そしてみんなに舞鶴茶の味を知ってほしい」と意欲をみせる。

2017年6月4週号

求める人がいる限り続けたい

芦田 晃嗣さん 京都市

芦田 晃嗣さん 京都市
「両親の築いてきた農園を守っていきたい」と芦田さん

2011年に両親が守り続けてきた農薬や化学肥料に頼らない農法を受け継ごうと、実家の農園に就農しました。

病害虫から野菜を守るために畑を囲うソルゴー障壁、バジルなどを混植するコンパニオンプランツによる防虫、手作業による害虫駆除や除草などに取り組み、見た目も良質な野菜作りに励んでいます。

毎年7月にJAが主催する野菜品評会では、上位に入ることを目標にしています。

現在、畑でナスやキュウリ、トマト、ササゲ、パクチーなど15種類以上の少量多品目の作物を栽培。府から認定を受けたエコファーマーマークシールを貼り、主にスーパーの直売コーナーや飲食店に販売しています。

また加工業者と連携し、激辛唐辛子を使った一味唐辛子「京都太秦 激辛兄弟 赤鬼・青鬼」を商品化しています。

栽培管理が難しく、病害虫対策や除草には苦労が絶えませんが、求める人がいる限りこの農法を続けていきたいです。

両親には今まで農業をしながら育ててくれたことに感謝し、次は自分が両親の築いてきた農園を守っていきたいと思います。

▽経営規模 水稲約70アール、露地野菜約40アール

京都市 芦田 晃嗣(あしだ こうじ)さん(41歳)

2017年6月3週号

自家製抹茶 もっと多くの人に

森田 裕一さん 木津川市

「どうしたら本物の抹茶を味わってもらえるか考えながら栽培している」と話すのは、木津川市山城町神童子の森田裕一さん(40歳)。 2012年に自家製抹茶をふんだんに使用したチョコレート「神ちょこ」を開発。ふるさと納税の返礼品に採用されるなど、特産品の地位を築いている。

森田 裕一さん 木津川市
「『おいしい』と言ってもらえる茶作りを目指している」と話す森田さん
森田 裕一さん 木津川市
2キロの茶葉を約10時間かけて石臼でひく
森田 裕一さん 木津川市
女性に人気の神ちょこ

森田さんは高校卒業後、2年間、静岡県にある野菜茶業試験場(現農研機構・野菜茶業研究所)で研修を受けた。全国から集まった同年代の研修生と茶栽培について基礎を学び、20歳で就農した。

現在は茶5ヘクタールを栽培し碾(てん)茶をJA京都やましろに出荷する。森田さん方では代々、茶栽培に取り組んでいて、父親から教わったことや研修で学んだことを生かして肥培管理しているという。

加工品に取り組むきっかけは、「市販の抹茶菓子から普段慣れ親しんでいる抹茶の味がしない」と物足りなさを感じたことだ。

風味生かしたチョコが完成

「抹茶の風味を生かせないか」と試行錯誤し、5年前に「神ちょこ」を完成させた。ユニークな商品名は、産地の神童子に由来する。特徴は石臼でひいた蒸気のように細かい粒子の抹茶を使うこと。製茶工場に設置した10基の石臼で2キロの茶葉を約10時間かけて、ゆっくりひくという。

「時間と手間をかけることで甘味やうま味、香りがたち、口当たりの良い最高の抹茶ができる」と森田さん。深緑色で大粒のチョコレートは、インターネットや市内、東京などでも販売され、女性客を中心に好評だ。

森田さんは「農業は家族一緒に協力して作業することができ、とても良い職業だと思う」と笑顔で話す。

イベントで積極的にPR

妻の真希さん(40歳)は各地のイベントに参加し、抹茶やチョコレートなどのPR活動を積極的に行い、側面から協力する。

森田さんは「『神ちょこ』は、抹茶を知ってもらうためのアイテム。気軽に飲んでいただけるような抹茶を作り、海外にも広めていきたい」と意欲的に話す。

2017年6月2週号

山間地で和牛繁殖 あぜ草は大切な餌

瀬戸 覚治さん 京丹後市

瀬戸 覚治さん 京丹後市
牛の体調を確認する瀬戸さん

丹後地域では、古くから農耕用に役牛の飼育が行われてきた。戦後、肉用に改良され、「丹後牛」として子牛生産が始まり、現在も12戸で繁殖が続けられている。

京丹後市久美浜町の瀬戸覚治さん(83歳)も、和牛繁殖に取り組んでいる一人。「丹後牛は但馬牛と同系統の黒毛和牛だったが、近年は発育が良く高く売れる九州系に代わってきた」と話す。

水稲140アールも耕作する瀬戸さん。水田は高い畦畔(けいはん)に囲まれ非効率だが、「畦畔が高いからあぜ草がたくさん生え、牛の大事な餌になる」と山間地の強みを話す。 1973年に飼養を始め、多い時は母牛7頭を飼育していたが、今は昨秋に更新した母牛1頭と子牛の世話に励む瀬戸さん。「牛飼いは苦労の連続。でもせり市で高く売れたときはうれしい」と笑顔を見せる。

2017年5月3週号

元気いっぱい農家っ子 頼んだことを根気よく

戸田琉葵哉くん(11歳)、美澪さん(9歳) 久御山町

戸田琉葵哉くん(11歳)、美澪さん(9歳) 久御山町
仲良くトマト苗を運ぶ琉葵哉くん(右)と美澪さん

祖父・泰嘉さん(64歳)から一言=琉葵哉はおとなしくてまじめで優しい性格、美澪は活発でチャレンジ精神が旺盛です。二人とも休みの日には収穫や出荷など頼んだ農作業の手伝いを根気よくやってくれます。

将来的には生産だけでなく、加工や販売、農業体験にも取り組みたいので、孫も含め家族みんなが農園とつながっていければいいですね。

▽経営規模 水稲1ヘクタール、ハウス10棟(トマト・コマツナなど)、露地野菜2・5ヘクタール

2017年5月2週号

灰汁入れがポイント 自家産イモで昔ながらのこんにゃく作り

萱野こんにゃくグループ 南丹市

南丹市美山町萱野(かやの)の「萱野こんにゃくグループ(藤原久子代表=70歳、4人)」では防腐剤不使用で、凝固剤に天然由来の灰汁(あく)を用いる「萱野こんにゃく」の製造販売に取り組んでいる。

萱野こんにゃくグループ 南丹市
手作りこんにゃくを手に藤原代表(中央)と小中さん(左)、水口さん
萱野こんにゃくグループ 南丹市
こんにゃくを成形するメンバー

萱野地区の土壌は栄養分が豊富な黒土。この環境を生かし、地域活性に結び付けようと、グループでは1989年から手作りこんにゃくの製造を始めた。

コンニャクイモの栽培は種芋を植えてから加工できる大きさになるまでに3年を要する。「冬場の寒さや夏場の日照りで腐ることもあり管理が難しい」と話す藤原代表。4月末から5月上旬に植え付け11月に収穫する。

こんにゃく作りは、収穫後に乾燥させた生イモを使う伝統製法。1時間ほど加熱し、手作業で皮をむき、ミキサーや練機を使い粘りが出れば灰汁を加える。

灰汁はナラなどの広葉樹の灰に熱湯を加え漉(こ)したもの。メンバーの水口ことえさん(68歳)は「灰汁入れが最も重要。凝固剤の役割を果たし、えぐ味も中和してくれる」と話す。

こんにゃくは10月から4月末にかけて製造。1個250グラムに成形し、ゆでた後に冷水に浸して完成させる。「弾力があり、煮物のだしが浸み込みやすい」とメンバーの小中令子さん(66歳)。

製法も味も次世代に

地元の道の駅などで1パック(2個入り)380円で販売するほか、学校給食にも提供され「地元の味」として親しまれている。藤原代表は「こんにゃくの製法と共にこの味を次世代につないでいきたい」と話す。

2017年4月4週号

安定経営へ施設野菜導入

萩本 卓也さん 城陽市


「消費者の『おいしい』の声がうれしい」と卓也さん

「父から『後継ぎはお前しかいない』と言われ決断しました」と話すのは、2011年に不動産会社を退職し就農した城陽市の萩本卓也さん(30歳)。

萩本さん方では水稲1ヘクタールのほか、露地1・3ヘクタールでモモやイチジクなどの果樹を親子で手掛ける。卓也さんは就農を機にハウス3棟を新設。「万願寺とうがらし」とコマツナの栽培に取り組む。

コマツナは10月末に元肥を入れ、4畝に成形後、1畝6列で播種。「収穫が重ならないよう時期をずらして種を播きます」と話し、換気や灌水量に気を配る。播種後45~60日で収穫でき、1日約40キロを契約業者へ出荷する。

「作業が重なる時期は大変ですが、安定的な経営ができている」と卓也さん。「コンスタントに収量がとれるよう栽培技術を上げたい」と話す。

2017年4月3週号

まだまだ勉強中

大内 智恵さん 与謝野町

大内 智恵さん 与謝野町
「私の笑顔で育てます」と大内さん

夫が2014年末に会社を早期退職し専業農家になったのを機に、私も「食べてみたい野菜を作りたい」と、勤めを辞め就農しました。

夫婦二人で水稲と露地野菜のナスやキャベツ、2棟のハウスではミブナと「九条ねぎ」を栽培しています。

会社勤めとは違い休みがあってないようなものですが、収穫できるまでに育った野菜を手に取ると、うれしくなります。

出荷作業では、スーパーの陳列商品を思い浮かべながら、「見栄え良く」「きれいに」を、モットーにしています。無人販売に出す袋詰めは、さらに「お得感」をプラスして並べています。

一番大変な作業は夏場のナスの収穫と出荷。ハウス内はとても暑く、時間にも追われますが、そのぶん充実感も味わえます。出荷後の通帳記帳も楽しみの一つ。

今年で3年目となり、「去年はこんなだったから、今年はこうしてみようかな」と思うようになりました。九条ねぎ栽培の勉強会にも参加し、女性同士で情報交換しながら、いろいろ教わっています。まだまだ勉強中で、質問もできるようにならんとね。あとは、わたしの笑顔で育てます。

▽経営規模 水稲160アール、露地野菜34アール、ハウス2棟

与謝野町 大内 智恵(おおうち ちえ)さん(43歳)

2017年4月2週号

農地保全へ 攻めの姿勢で

株式会社篠営会 綾部市

綾部市篠田町の株式会社篠営会(相根謹一代表取締役=66歳)では、地域農業の維持に向け、作付け内容の多様化や農業機械の効率的な運用を図り、近隣集落の農地集積にも積極的に取り組んでいる。


代かき作業中の従業員と相根代表取締役(左)

ハウスでは季節の野菜などを作付ける

篠営会のハウス

綾部市の北西部に位置する篠田町では、1978年に約22ヘクタールの圃場整備が完了。任意組織「篠営会」を設立し、農作業受託を進め農地保全に努めてきた。

しかし遊休農地が増え続けたため、農地を守るためには法人化が必要と判断。賛同した5人で2012年11月に組織を株式会社化した。現在、役員3人と従業員2人、パート4人で作業を行っている。

他集落の農地集積も

今年は、他集落の農地も集積し、20ヘクタールを超える規模まで拡大。作業の分散を図るため麦作後の小豆を4ヘクタール、水稲は16ヘクタールで酒米「五百万石」や特別栽培米の「コシヒカリ」、飼料用米や加工米などを作付ける。

「麦作後の小豆は、逆転ロータリーを導入することで発芽が向上した」と話す相根代表取締役。地域の空きハウスを利用し、地元農家の受託分も含め、2700枚の水稲育苗も行う。

野菜栽培で雇用創出

地域に適した栽培技術の研鑚やコストの低減など経営管理に注力しているといい、水稲では、刈り取り時期が集中しないよう多品種を作付けし、作業機械の効率的な利用を徹底している。

さらに育苗後の空きハウスには「万願寺甘とう」や直売所向けの野菜を栽培。地元住民の雇用の場をつくるなど、新たな活動の展開にも備える。

相根代表取締役は「農地中間管理機構を通じて農地を借りているので、今後は地元だけでなく近隣集落の農地の集積も考えられる。条件の良い圃場には小豆『京都大納言』の機械栽培を増やし、地域ブランドを守っていきたい」と話す。さらに「水稲は、消費者との交流を持ち『篠営会』のお米のファンを増やしたい。地域住民とコミュニケーションを取りながら、栽培面積と販売金額ともに倍増を目指したい」と経営拡大を視野に入れる。